金沢&能登旅行
記憶が薄れないうちに感じたことを記録しておきます。
時系列ではなく印象に残ったことを優先に。
思い立ったが吉日女たち
こんかい共に旅をした友とわたし
役割的には
彼女がアクセルだとしたらわたしはブレーキ?
彼女がアクション部門、わたしがリスク管理部門?
そんな感じでタイプの違うふたりではありますが
わりとどっちも 思い立ったが吉日女 じゃね?…という感じです。
なので
今回の旅のメインイベントも予定外。
そもそも能登半島まで足を延ばすつもりはありませんでした。
友の気持ちに火をつけたのはわたしか?
旅行の数週間前にお互い北陸でどこへ行きたいか話したとき
わたしは福井の平泉寺白山神社
友は能登の漆作家赤木明登さんの工房
そしてどちらも拠点の金沢からクルマで2時間近くかかる場所にあるため
あまり強行軍な旅をしたくなかったわたしは「どちらも却下だな」と判断。
ちなみに
赤木明登さんというのは、彼女が10年近く前からファンである有名な漆作家さん。
わたしは今回初めてそのお名前を知ることになりました。
彼女の「工房へ行って赤木さんにお会いしてみたい」情熱はよくわかったのですが
取材でもなんでもない一般人が人気漆作家さんの工房に突撃となりの晩ごはん的に押しかけるって…アリなの?非常識じゃないの?
とも思いましたし
しかーも当日39度の熱があった友のことも心配ですので
わたし的には完全に I wish I could 的な言い回しで
「じつはさ、能登半島へも足を延ばせるかな?なんてちょっと思ったりしてたんだけど…やっぱり今回はのんびり大人しく過ごそうね」
と「ムリをしない旅をしよう」と彼女に言ったつもりだったのですが
え~っ だいじょうぶだよ。もう今は熱下がってるし行ける!行きたい!
という気持ちにさせてしまったみたい。火をつけたのはわたしか。
わたしがなかば強引に却下しちゃってたけれどやっぱり行きたかったのよね…
そして
彼女の言うとおり、体調は万全ではないハズなのですが熱は下がったようで…
当日の朝、工房へ直接電話をする友。そして「行く」って言っちゃったよ。
なんとなんとほんとうに
赤木明登さんの工房にお邪魔してきました!どどどんっ
いやぁ…これは家族旅行では味わえない貴重な体験でした。友よありがとう
工房&お宅はとってもステキな場所にありました
もうね、電話もネットも繋がらない場所なのでした。
ほんとうにたどり着けるんだろうか…
不安な気持ちでナビと景色をかわりばんこに睨みながら山奥へ進むわたしたち。
途中、何件かの集落があったのでちょっと安心したのもつかの間
その集落を過ぎてまだ奥へと進め進め。
いいの?ほんとにこのまま進んでいいの?と思ったらやっぱり進みすぎてたりして。
そんなこんなしていて
友曰く「なんかここっぽくない?」という感じのちょっと今まであった集落とは造りの違う建物を見つける。
ビンゴでした。お弟子さんがわたしたちに気づいてくださった。
うわぁ…空気がおいしい。クルマを降りたとたん呟くわたし。
そしてね
出迎えて下さった赤木さんの奥さまがとってもステキな女性でした。
この日、旦那さまの赤木明登さんは上海へ出張中でお留守だったのです。
う~ん…ざんねんっ!
ではあるけれど、奥さまの赤木智子さんがとてもステキな方でして
お忙しい時間をわたしたちのために割いてお話相手になって下さって感激でした。
ご自宅を兼ねているので
はじめは写真を撮るのを躊躇してたのですが
奥さまが「どうぞどうぞ」とおっしゃるので遠慮なしに写メってます。
薪ストーブのあるリビング
「虫がいっぱい入ってくるの…ゴメンなさいね 」と言いながら大きな大きな窓を解放して下さいました。
リビングからの風景
リビングからデッキが張り出してます。全面が森。眼下には小川が流れている。
あのね、とにかく空気が美味しいの。奥さまになんども言ってしまうほど。
しかも、いろんな鳥が遊びにやってくるんですって。
リビングでバードウォッチング…なんて贅沢な。
真ん中が奥さまの赤木智子さん
この時奥さまが履いていたスカートがとっても印象的でした。
すごくかわいいの。そして似合ってる。
そしてお気に入りなんでしょうね、ちょっと擦り切れてたりして。
帰宅してからググってみると
このスカート姿の画像をいくつか見かけたので「やっぱりお気に入りなんだろうな」と嬉しくなりました。
そして友が漆器を購入
お茶と栗ようかんをいただきながら赤木さんの漆器を見せていただく。
輪島塗りのイメージが大きく変わりましたね。
数年前の朝ドラ「まれ」で
「輪島塗り」とは、ひとつの作品が出来上がるまでに100の工程がある
とにかく職人たちが手間をかけて出来上がる貴重なぬりものであると知り
正直なところ敷居が高すぎてじぶんとは関係ないと思ってた。
しかも…ぶっちゃけ
テカテカしてる上に書かれている絵柄がちょっと…あまり好みじゃないというか。
だからね
今回じっさいに赤木さんの作品を見せていただいて
こんな輪島塗りならば食卓に並んでいる絵が想像できると思いました。
友も言っていた。
赤木さんの作品の素朴さに惹かれたのだと。
うん。わかる。わかったよ。「これでご飯が食べたい」と思える器よね。
友はこれとディナー皿をお買いあげしていました
決して安い買い物ではありません。慎重に悩みながらお買い上げしてました。
ディナー皿はわたしがけしかけちゃったかな。
そしてこの時だけは奥さまは商売人の顔になってましたね。笑
工房には5人のお弟子さんがおられました。
ひとつひとつ手作業なので作品ごとに100個単位でしか作れないのと
完成までに3年くらいかかるとのことで
出来上がるとすぐに完売になってしまうのだそうです。
港区のお寿司屋さんからの発注で寿司皿を作っているのだそう
それにしても四季折々の景色を視界に入れて仕事が出来るって…羨ましすぎる!
ご本人たちも「特等席」だと言っておられましたね。
こちらはパン皿かな
お弁当箱
別れ際に著書をいただく
帰宅してからすぐ読みました。2時間で読めました。
お茶をいただきながら話して下さったことが本にも書かれていて
お話を聞いているように自然なスピードで完読。
とっても自然体で優しいイメージの女性ではありますが
ご本を読んで思ったのは
やっぱりじぶんなりのこだわりや意志はそうとう強いお方なのだと。
そりゃそうですよね。
自然あふれる土地で暮らすということは口で容易く言うほど良いことばかりではないでしょう。
雪もたくさん降るんだって言ってた。
大変さや苦労も含めて「暮らし」を全力で楽しみ全うしているのでしょう。
お仕事で東京に行ったとき南青山の美容室で髪をカットしてもらうんですって。
至れり尽くせりしてもらっている時間が最高だって言ってたのが印象的でした。
さいごに
なんだかけっきょく赤木明登さんの奥さまのことばかり書いてます。
もう少し輪島塗りのことを書きたい気持ちもあるのですが
文字数がわたしらしくなくなってしまうのでもうやめておきます。書き足りないけどな
今回、わたし自身は赤木さんの器を購入しませんでしたが(予算の関係上)
まずは
この方の器で食事を楽しめるような、気持ちに余裕のある人間になりたいと思いました。
毎日死ぬまで大切に使うことを考えたら、高い買い物ではないでしょうきっと。
お金貯めるぞ。
*ぽこ*