ぽこあぽこ日記

あらゆることをびぼうろく

孤狼の血 LEVEL2 観てきました|光があれば闇もある|暴対法直前のヤクザと警察の世界

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こんにちは とってもご無沙汰してます*ぽこあぽこ*です。

前回の記事でもひとりで意気込んでおりました「孤狼の血 level2 を劇場で観る」

重大ミッションですが

無事にクリアすることが出来ました。観了いたしました。おめでとうわたし~パチパチパチ~

 

「前作を超えるバイオレンス」という触れ込みの中、いくら松坂桃李さんのファンであるからといって

なぜこの作品を観ようとこんなに気負っているのか、じぶんでもよくわかりません。

こういうご時世であるということも相まって

「最後まで観届ける」ことがわたしの仁義だと思って観てきたのでした。

実際に制作側もキャストも寿命を削って取り組んだ作品なんじゃないかな。

 

というか、前作とはちょっと毛色の違う作品としてめちゃくちゃ衝撃を受けてます。

今日はこの「孤狼の血 level2 ひとりで観れたもん」を記念して

個人的な感想を備忘録しておきます。

 

完全にネタバレ記事なので「これから観るんだからね」って方は観了してから読んでくれると嬉しいです。

 

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©2021「孤狼の血 LEVEL2」製作委員会

 

 

鈴木亮平の圧倒的な存在感

主演は桃李くんです。ヤクザ映画と括られるかもしれないけど警察官が主人公です。

ですがですが、なんなんですかアンタは。

鈴木亮平さん演じる、上林というサイコ野郎なヤクザのことですよ。

服役中だった彼が出所したことで、彼の投網にそれ以外の全員が完全にかかってしまいました。

観ているわたしたちも一緒に。

彼が登場してものの数分ですっかり上林から目が離せなくなってしまいます。

桃李くんの目の演技はすごいです。私は前作の桃李くんの目にすっかりやられてしまいましたが

今回は、鈴木亮平さんが上回っていました。ハンパない。

 

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この作品の時代背景は、暴力団対策法が施行される直前の広島です。

暴力団も現実的なビジネスに生き方を変換せざるを得ない

昭和から平成への時代の転換期です。

このヤクザの生き方の移り変わりを知らずに刑務所で過ごした上林という男が

ヤクザ全盛期だったころの勢いと輝きを最後の打ち上げ花火のようにぶっ放す

映画という媒体に記録する

そんな、すべてをぶっ壊して自滅する意思そのものが作品のエネルギーとなっているのでした。

 

なんもかんもぶっ壊れればいいんじゃ

 

こんな自滅願望のあるサイコキラーな上林にどうして引きこまれてしまうのか。

悪魔のように怖くて最悪な男なのに、心から憎めずに姿を目で追ってしまうのは

むしろ切なさや悲しさで胸がつまるような感覚は何なのか。

ぜひぜひ劇場に足を運んでください。笑

 

 

続編ではなくスピンオフかもしれない

これ、LEVEL2って、どういう意味なんでしょう。ぶっとび具合のレベルですかね。

本作品を観るまでは、ずっと続編だと思ってたのですが、なんか違うような気がしてます。

今回、怪物のような上林と最終的には同志のように殺し合う日岡(桃李くん)ですが

本作の中ではとにかくパっとしないんです。中途半端というか。

 

前作では、桃李くん演じる「日岡」という本部の若手エリート警察官が

役所浩司さん演じる「大神」というヤクザよりもヤクザのような、暴力団とも癒着しまくり違法捜査しまくりの

ベテラン刑事と失踪事件のバテイを組むことでストーリーが展開してゆくの。

 

日岡は本部から仕込まれたスパイで大神の動向をさぐっては本部に報告していた。

大神はそれを知っていながら日岡を育てたの。

前作での「孤狼」は大神です。

彼は毒をもって毒を制するやり口で、広島の暴力団の覇権争いを封じて彼らをコントロールしていた。

青二才の日岡がすべてに気づいた時、大神はすでに殺されてしまっていて、そこからの日岡の心の変化がわたし的には前作の真骨頂でした。

桃李くんはこの心の変化をぞんぶんに演じてくれた。孤狼の血を受け継ぐのが日岡であろうと思わせてくれるエンディング。

でね

そんな前作からの日岡が楽しみであったのですが今回の日岡は完全に後手後手でした。

そりゃそうよね。たった3年で青二才の若手刑事が、あの大神のようなベテラン刑事のようになれるハズはないのでした。

ただ、この「微妙な成長段階である日岡」を感じさせてくれる桃李くんの演技はそれはそれで素晴らしいのです。

 

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今回の「孤狼」は上林で、日岡はずっと狼を追い続け

最後に仕留めることはできたけども、結局のところ彼が追い求めている「孤狼」である大神には至っていないの。

孤狼の血を受け継ぐ日岡が上林という孤狼を追い詰める中で、何を得ることができたのか。

大神にはあって日岡に足りないもの、今回はそれを続編に向けてサンドイッチしたんじゃないだろうか、そんな風に思いました。

個人的には、前作が好きです。

今回は本筋とはちょっと脇道にそれたスピンオフというか、エンターテイメントとしての色が強い作品になってると思う。

だから、もし「次」があるとしたら、それが前作の続編となるんじゃないでしょうか。

 

魅力的なキャストで固められていました

上林と日岡の他にも、作品の中で重要な役割りを果たす人物がたくさん登場してました。

上林に近づいて日岡の指示でスパイをやっていたチンタ役の村上虹郎くんの押さえつけられた感情を感じさせる哀愁感

その姉であるバーのママ役の西野七瀬さんの「好きでやってるんじゃないのよ」的素人っぽいママぶり。笑

あとは、ひょうひょうとしていて相手の懐に入るのがめちゃくちゃ得意だけど、実は平気で相手を裏切ることができる日岡のバディ役だった中村梅雀など。

 

今回は五十子会上林組がメインだったので

小谷組の組員にあまりスポットライトが当たらなかった斉藤工さんや早乙女太一さんをもうちょっと使ってあげてほしかったかな。

主演の桃李くんは刺されても撃たれてもボコボコにされても死ななかったけど

彼らがあっけなくやられてしまったのはちょっと気の毒。

 

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 まとめ

作品を観て1日たってますが、まだ余韻が残っています。

ヤクザ映画観たあとって男性は肩で風切って歩きたくなるそうですが(古いかな?)

こちとら脳の造りが女のようでして。笑

そういうドンパチやカーチェイスのスカっと感というよりは

時代背景やストーリー、光があたることで生まれる闇とか影とか

演者の表情から心理を想像するのが楽しかったです。原作も読んでみたいと思いました。

それともうひとつ言いたいことが…

 

PCで「ころう」と変換すると「虎狼」とか「孤老」になってしまうために

「虎狼の血」だと思い込んでる方がたくさんおられると思うのですが

 

孤狼の血

 

ですからー。そこんとこヨロシク。

 

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